※infinityシリーズの多少のネタバレがあるため未プレイヤーは見ないでください※
ぼくの人生の中で最も影響を受けた傑作ノベルゲームシリーズ「infinityシリーズ」の移植とリメイクが水面下で進行している模様です。
https://dengekionline.com/articles/174266/
「移植とリメイク」という言い方をしてることから「現行機で“オリジナル版(移植)”と“リメイク版”を両方出す」ということでしょうね。やったぜ(好意的解釈)。もしリメイクだけだったら不安しかなかったけど、オリジナル版の移植もするならファンとしてとても嬉しい。また、「リメイクは、その作品を好きな人が作るのが一番いいのかなと思います」とインタビューで言ってることからきっとinfinityシリーズが好きで好きでたまらなくて作品理解度がめちゃくちゃ高い人が担当するのでしょう。じゃあ安心だね(不安)。ほんまに頼むぞ……。頼むぞ……。
移植の必要性についてはPC版を除き現行機(switchやPS5)でプレイする手段がないため是非やってもらいたいです。あわよくばPSP版の仕様のまま移植してもらいたい。ファンなら分かると思いますがPSP版が最強なので。ただしEver17のココ編武視点の合流バグは直してね。
そして本題であるリメイクについてですが、まずNever7はリメイクする価値があると思います。2019年が舞台なのにキャラクターがみんな携帯電話を持ってないのは不自然極まりないのでその辺りを現代風にブラッシュアップしたほうがいいでしょう。また、シリーズの後発作品の要素を入れるというのもありですね。たとえば2019年のティーフブラウのパンデミックによる世界情勢などの要素を入れるなど。
Ever17は既に箱〇版でリメイクされてますが、大胆にリファインされた影響でシナリオと設定の改変が多数見受けられ正直言って別物です。挙句の果てに原作版に存在したいくつかの考察要素(明かされない謎)は「そもそもリメイク版ではそんな謎はなかった」という扱いを受けています。たとえば生体反応1とか※。なので箱〇版は原作とは別の世界線のファンディスクとして扱ったほうがいいでしょう。個人的には無限の解釈を楽しめる原作版のほうが好きですが、箱〇版のシナリオも良いところはあるので全てが悪いというわけではありません。3Dの立ち絵は擁護不可能ですが。
もしEver17を再リメイクするというなら、原作版の設定をベースに箱〇版の良いとこどりをした究極のEver17として仕上げてほしいですね。
※リメイク版では生体反応の数字が0と2の高速変化という演出に改変されましたが、正直な感想を言うとシュレディンガーアピールが露骨すぎてどうかと思います。あれは「生体反応1」だから考察の余地があって魅力的だったわけですから。更に愚痴を言うと、リメイク版ではクワコギの記憶喪失の理由が「次元振動装置の事故で意識の共振現象が発生した」ということになってますが、言うまでもなく原作では次元振動装置なるものは存在しないのでこの設定は“リメイク版の世界線において”クワコギの謎を解明するためだけの設定ということになります。このようにリメイク版は原作と比較すると「考察しがいのある明かされない謎」が殆どと言っていいほどなくなってしまっており、infinityシリーズの要であり魅力でもあった「無限の解釈を楽しむ要素」が激減されてしまい一度クリアしたらもう満足して何度もプレイする必要はないという仕上がりとなっています。もしかしたら「リメイク版のEver17はinfinityシリーズとしての作品に仕上げるのではなく、1つのスッキリした作品として制作し、全ての謎を作中内で提示しよう」というようなコンセプトで制作されたのかもしれません。だから「infinity」と入っているサブタイトルが削除されてるのかも。
そして問題作であり前代未聞の神ゲーであるRemember11ですが、これはリメイクする必要があるのかどうか難しいところです。
このゲームをリメイクするとして、一番望まれてるのは真相編の追加でしょう。
しかし、この作品においてはただ真相編を追加すればいいという話ではありません。なぜなら、この作品は「ゲーム内に真相編が存在しないからこそ、この作品は完成されている」と解釈されてもおかしくない作品であり、そこから派生した考察要素も楽しまれているため、下手な真相編では「作品の魅力を台無しにした!!!!」という反感を買ってしまいます。「誰もが認める完璧な真相編」でも作らない限り、長い時間をかけて謎に挑戦し続けたプレイヤーや原作に対する冒涜にすらなってしまいます。そもそも未完成疑惑すら囁かれている本作の真相を誰もが納得できる形で用意できるのかという懸念もあります。
また、もし「真相編を入れるため」という目的のためだけにEver17の箱〇リメイクのような設定変更がされて「原作の謎なんてなかった」ことになってしまった場合、そんな状態で出された真相編を見ても既プレイヤーは「ふざけるなー!!!!! 馬鹿にしてるのか!!!!」としか思わないでしょう。そんな当てつけのようななんちゃって真相に何の意味もありません。
そもそもEver17のリメイク版はサスペンス色の強化のためにシナリオがリファインされましたが、元々サスペンスとしての完成度はかなり高いRemember11でリファインする必要性は皆無です。それでももしシナリオ変更をするというなら、前述の通り「物語を面白くするため」ではなく「後付けの真相編をねじ込むため」でしかないでしょう。「真相編が見られれば満足なんだろう?」という浅はかな考えが透けて見えるようなリメイクになったらクソゲー確定ですね。かと言って原作版を尊重して真相編は追加しないというなら移植で充分であるためリメイクする意味は無いです。
Remember11がリメイクされた場合、自分が納得して受け入れられそうな展開を4パターン考えました。
パターン1: 誰もが認める完璧な真相編の追加
パターン2: 真相を肉薄できる外伝の追加
パターン3: 原作とは完全な別物として大幅に作り直す
パターン4: リメイクではなく「Remember11 After」なる続編を作る
パターン1と2の前提条件として下記が必須です。1つでも守られていなければ意味がありません。
・ココロ編とサトル編のシナリオを一切弄らない(余計なリファインをしない)
・PSP版の年表やドラマCDなどの情報とも矛盾しない(小説版は例外的として除く)
・インタビュー等で明かされた要素は“お蔵入りになったもの※”を除いて取り入れる(作中とインタビューで整合性を保つ)
※たとえば「初期設定のこころはDIDだった」「プレイヤーが沙也香を殺した」など。結果としてこころはDIDではないし、ゲーム中に沙也香を殺す選択肢は存在しないため真相として入れる必要はない。ただし「プレイヤーは沙也香の死に一切関与していないのにもかかわらず、悟は自分勝手な思い込みでプレイヤーを逆恨みしている」という感じであれば部分的に取り入れてもいいでしょう。
1: 誰もが認める完璧な真相編
「この謎はこういうことだったんだ」「だからああいう終わり方になったんだ」というのが納得できる真相を提供してくれればそれでいいです。
何度も言ってるとおり現実的ではないですが解決策としては一番シンプルですね。“それを作ることができる人間がこの世に存在するのか?”という点を除けば完璧な計画です。
2: 真相を肉薄できる外伝
たとえば主人公以外の視点で物語を語ることで間接的に真相に近づいていくという外伝であれば、真相が全て明かされなくとも受け入れられやすいかもしれません。たとえば「ゆに編」「榎本編」「犬伏編」など。PSP版の年表を元にした「ユウキドウ計画準備編」というのもありでしょう。事実上「誰もが認める完璧な真相編」と相違ないかもしれませんが、あくまで外伝であり必ずしも真相を全て語る必要はないため「誰もが認める完璧な真相編」よりかは制作しやすそうですし、上手くやればいい落としどころになるのではないかと思います。また、少し趣向を凝らして「廃人として入院しているバッドエンドの榎本(=オレ悟の成れの果て)から当時の話を聞く物語」とか「奇跡的に穂鳥(オリジナル)の身体が動くようになり、彼女が命からがらSPHIAや避難小屋を訪れた場合の例外的な歴史」というIFの物語で展開してもいいかもしれません。
しかし、「それが出来たらとっくの昔にやってるだろう」と思わなくもないです。ドラマCDや小説でそういう外伝を作るという選択だってあったわけですから。それすらも出来ない事情があったのか……?
3: 原作とは完全な別物として大幅に作り直す
原作に存在しない完全新規キャラクターを介入させたり、登場人物達の設定を名前から年齢まで丸ごと変えるくらいオリジナル版と完全な別物として作り直すことで「原作では絶対にありえない」「この真相はリメイク版にしか適用されない」と分かり易ければ、原作とは別物だと割り切って真相編含めて楽しめるかもしれません。
要はRemember11を原作とした二次創作に近い作りであれば、その真相編で明かされた答えが原作とどんなに矛盾しようが関係ないので文句はないでしょう。このように大きく作り直すとしたら、原作でお蔵入りになった要素を敢えて入れるというのも面白いかもしれません。たとえばこころがDIDで殺人鬼の正体だったとか、沙也香を殺す選択肢を選ばせて「プレイヤーが沙也香を殺したんだ!」という主張を出来るようにするとか。
しかし、完全な別物と化した作品を「Remember11」を名乗り世に出すことになんの意味があるのかは疑問です。別物でしかないのに、その真相編をプレイしたところで「これでRemember11に決着がついた! ようやく無限ループから抜け出せたぞ!」と思うプレイヤーは常識的に考えていないでしょう。
4: リメイクではなく「Remember11 After」なる続編を作る
いっそのことリメイクではなく、本編のその後を描いた「Remember11 After」という完全新作で、2012年1月以降に「朱倉岳で一体何があったのか? なぜ墜落事故の犠牲者が1年後に発見されたのか?」という疑問を持ったジャーナリストの新キャラが事件を調べていき、やがてSPHIAや優希堂悟という人物が事件に関与していることに気づきユウキドウ計画の謎に迫っていく続編というのはどうでしょう。生存したキャラクター達とコンタクトを取って当時の話を聞いたり、調査の末“装置”の存在を突き止めたことでライプリヒに狙われるようになったり、実は俺悟がどこかに隠していたテラバイトディスクのバックアップを見つけて内容を解読していくとか……。本編をリメイクしていくよりもそういう新作のほうが意外と面白くなるかもしれませんね。別のアフター展開としては、「本物の穂鳥は犠牲になってしまった」と悟ったこころが「オリジナルの穂鳥を助け出す」という目的で装置を奪い取り「フユカワ計画」を実行していくとかどうでしょうか。面白くなるかどうかはしらん。
余談:Remember11は未完成なのか?
プレイヤーの解釈次第でどうにでもなります。
まず作中内の重要な目的=メインキャラクター達の生存については(オリジナルの穂鳥を除いて)達成されていますし、舞台設定やギミックなどはある程度の説明も果たしているため一応の決着はついています。
しかしユウキドウ計画の全貌など、明かされない謎があまりに多いことや、説明不足で終わり方に納得がいかないと感じたプレイヤーが多いため未完成だと評価されることが多い。キャラクターにとっての目的は閉鎖空間から生き延びることですが、プレイヤーにとっての目的は物語の真相を知ることなのだからそりゃそうだろうっていう感じはします。
例の座談会では「時間がなくて3章目を作らず未完のまま出した」と暴露されていましたが、同時に「2章で終わる形にしたおかげで3章目の部分、元ネタ自体が使えなくなった」と証言されており、この発言から「当初の予定通り(3章構成)ではなくなってしまったが、2章で終わる形として完成させた」として解釈可能です。2章構成で作品を完成させたからこそ、「3章目で使う予定だったネタが使えなくなった」のでしょう。その結果として不本意に難易度が高い作品となったとしても、未完成ではなくやむを得ずそういう作風として完成させたと捉えることができます。もちろん、「本来予定していた3章構成で作れなかった時点で未完成じゃん」と思ってもいいでしょう。好きにしなさい。
Q.もう1つの作品のこと忘れてない?
A.12RIVENのことかな? あれはinfinityシリーズじゃないけど設定ガバガバすぎだから、もしこれもリメイクしてブラッシュアップするなら嬉しいかも。名作に化けるポテンシャルはあると思う。え? 18? しらない