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Ever17の原作とリメイク版のシナリオの違いについて思ったこととか

ぼくがノベルゲームの魅力に取りつかれた元凶である伝説の神ゲーEver17。3/6に自称リマスター版が出るので、復習として原作とリメイク版を交互にプレイしてみた。
結果としてはリメイク版の発売当時にプレイして思ったこととそんなに変わらなかったけど、せっかくだから忘備録として書き残そうかなと。
前半はネタバレなしですが、後半はリメイク版のシナリオもガンガンネタバレするので未プレイの方は注意。


まずはじめにinfinityシリーズについて
infinityシリーズとは「Never7」「Ever17」「Remember11」の三部作を指す。Ever17は2作目。
シリーズ作品と言っても、世界観が一部共通してるくらいの繋がりなので前作をプレイしていなくても単体で100%楽しめる。前作を遊んでると110%くらい楽しめるくらいの感じ。科学ADVでいうとカオヘとシュタゲ程度の繋がり。




Ever17にはいろいろとバージョンがあってややこしいのでタイトル整理

Ever17 ~the out of infinity~
2002年に発売した原作。
すべてはここから……そう、ここから始まった。

Ever17 ~the out of infinity~ Premium Edition
2003年に発売された通称「PE版」。ミスの修正や新規立ち絵・CGなどの追加要素を加えた原作の完全版。
「Ever17」といえば基本的にこのバージョンを指す。

PSP版
「PE版」のPSP移植版。操作性が非常に快適になっており、さらに用語集やPSPの画面に合わせた新規主題歌のOP・EDムービーも追加(以前のOP・EDムービーも視聴可能)。
現状ではこのPSP版がEver17の決定版。

Ever17
2011年にXBOX360で発売したリメイク版。立ち絵が悪名高い3Dのアレ。シナリオと設定が一新されている(詳細は後述)。
タイトルに今まであった副題の「the out of infinity」が含まれていないのが正式なタイトル。
リメイク版ではヒロインの1人「小町つぐみ」に新規衣装が設定された。
主題歌とOP・EDムービーは一新され、PSP版以前の主題歌とムービーは視聴不可。
また、原作ではタイトル画面から選択できたショートカット機能は廃止され、システム面においては原作から劣化している。さらに言うと、EXTRAのMUSICモードにおいて原作のJukeboxに存在していた「Der Mond Das Meer -Sara-」と「Der Mond Das Meer -Coco-」が存在しない。

Ever17 - The Out Of Infinity
これから発売される自称リマスター版。
リマスターを自称しているが、正確に言うと「リメイク版の2D差し替え版」。タイトルに副題が入っているにも関わらず、ベースはリメイク版であるためシナリオと設定は原作と異なる。
なお、リメイク版で追加されたつぐみの新衣装は2Dで差分が新規作成されている。

リメイク版のシナリオについて
まず前提として、リメイク版のシナリオは「原作シナリオのアップグレード版」というものではない。公式サイトでは「シナリオの調整・追加」などと宣伝しているが、実際は設定改変・アレンジであり、ストーリーの大筋や着地点は原作を踏襲しているものの、原作から大きく改変された設定や存在を消された台詞やシーンもかなり多いため、原作とは別物といっても差し支えない。特に武編では印象深いセリフやシーンのカットが多く、原作の空編が好きな人や武とつぐみの掛け合いが好きだった人は覚悟したほうが良い。
また、リメイク版の特徴である「追加シナリオ」について、そもそも原作とリメイク版はかなり設定が違うため「追加要素」という立ち位置ではない。これはリメイク版の世界線にしか適用されない前日譚&後日譚でしかなく、これをプレイしたところで原作の残された謎が明かされるわけでもない。あくまでもリメイク版の補完であり、原作の補完ではない。




以下、久しぶりに原作とリメイク版を交互にプレイしたときのネタバレなし雑感(3Dモデルの立ち絵についてはノーコメント)

・プレイ時間はリメイク版が25時間程度、原作は38時間程度。

・武編(つぐみ編&空編)のシナリオは原作の方が断然良い。リメイク版ではストーリーの展開速度と危機感を煽るのを優先しているためか、その弊害で道中のキャラ描写やシーンが薄味になり、キャラクターの魅力が原作よりも半減されていると感じた。特に空編の完成度は原作の方が圧倒的。

・そもそもリメイク版の空編はシナリオを評価する以前にフラグ管理がおかしい。選択肢によって選ばなかった別ルートの話を普通にすることがあるから、武が存在しない記憶を思い出したり記憶喪失になったりする(詳細は後述)。さすがに自称リマスター版では修正されてると思うけど、もしそのままだったら本当にテストプレイしたのか疑うレベルでヤバイ。

・少年編(優編&沙羅編)のシナリオはどっこいどっこい。リメイク版の少年編は後半からは完全な別物と化しているので、その改変を受け入れるか受け入れられないか&改変した内容が好きか嫌いかで評価が変わる。個人的にリメイク版の改変で原作の少年編を台無しにされたとはあまり思わないが、原作よりも各段に良くなっていると思うこともない。強いて言うなら、個人的には原作の方が好きな部分があったのでどちらかというと原作派。

・ココ編はリメイク版のほうが一枚上手に感じるが、少年編と同じように改変を受け入れるか受け入れられないか&改変した内容が好きか嫌いかで評価が変わる。ネタバレになるため詳細は後述。

・リメイク版は伏線が露骨すぎて少年編をプレイしたらココ編で明かされるいくつかの謎が大体推測できる。原作をプレイ済みという立場であるからかもしれないが、あまりにも伏線があからさますぎて結構ドン引きした。

・リメイク版の一部キャラの設定改変は有名な話だが、性格が改変されたキャラもいる。ネタバレになるため詳細は後述。

・原作が大好きで細かいところまで好きなファンは、リメイク版で改変された設定や存在を消されたセリフやシーンの多さにキレそう。

・逆に言えば、原作に思い入れがない人や細かいところまで覚えてない人はリメイク版でサクっとやるだけでも楽しめると思う。

・リメイク版のシナリオ改変によって原作において明かされなかった謎が明かされるということはなく、設定改変の末に「リメイク版には原作で提示された謎がそもそも存在しないか、全く別のものに置き換えられている」という扱いになっており、さらに謎の答えも殆ど明確にされているため、リメイク版では考察を楽しむための余地がかなり削られている。そのため、じっくり深く繰り返し遊ぶなら原作のほうが楽しい。そもそもinfinityシリーズは「プレイヤーの数だけ解釈があり、無限の考察を楽しめる」という要素が魅力的だったシリーズであるため、リメイク版において「様々な解釈がされていたにもかかわらず、なかったことにされた原作の謎」「答えが明確化されているため考察する余地があまりない作風」というのはむしろinfinityシリーズとしての魅力を削ぎ落していると思う。まぁ、XBOX360のときは「タイトルにinfinityの副題がないからそういうスマートでスッキリしたアレンジもアリか」と思えた時期もあったが、自称リマスター版ではinfinityの副題を入れているうえNever7とセットでinfinityアピールをしているので、これはinfinityシリーズらしからぬマイナスポイントとして捉えざるを得ない。infinityシリーズは決して「ループ物だからinfinity」というわけではない。




個人的にリメイク版を総括すると「原作ファンに向けた別の世界線のファンディスクであり、リメイクではなくアレンジ版」という印象。
よってEver17を最初に体験するなら原作がおすすめ。おすすめ機種は快適なシステムと用語集を完備したPSP版。次点でPS2版のプレミアムエディション。
原作をプレイしていたが肌に合わず脱落した、そもそも原作を遊べる環境がない、長い時間を使ってゲームをプレイしたくない、武編はどうでもいい、評価の高いココ編さえプレイできればそれでいいというような理由がないかぎり、リメイク版および自称リマスター版を最初にプレイするのはあまりオススメしません。

さらに個人的な感想を言うと、リメイク版は原作をプレイして「Ever17すげーな! もっとEver17の世界に浸りたい!」って思った人がボーナスステージとしてプレイするのが理想だと思う。つまりはメディア展開の一種みたいな。できればリメイク版をプレイする前に設定資料集や各種制作者のインタビューやドラマCDとかも履修するのもおすすめ。

グッチグチの愚痴(心の蟠りを発散するために書き殴った駄文なので読まなくていいです)
https://dengekionline.com/articles/174266/
「リメイクは、その作品を好きな人が作るのが一番いいのかなと思います」だとさ。
「リメイク版のシナリオをあたかも原作の強化版として宣伝する」とか「リメイク版がベースなのに、タイトルにわざわざ原作と同じ副題を付ける」とか「DL版の商品説明にシナリオがリメイク版準拠であるという説明が一切ない」とか混乱を招いておいてなーーーーーーにが「その作品が好きな人が~」だ。本当に作品が好きならこんな詐欺めいたことしないでほしい。
リメイク版の3D立ち絵を廃止して2Dに差し替えたり、そのためにつぐみの差分を新規作成したことは正当に評価しますが、それ以外においては不満が多く、誰がやってるのか知らんけどEver17の自称リマスター移植の担当者は今のところ信用できません。そもそも担当者は原作よりもリメイク版が好きなんじゃないの? 現行環境で原作のプレイが難しくなった今だからリメイク版を正史として乗っ取れるチャンスとでも思ってそう。箱〇版のときにはタイトルに含まれていなかった副題をわざわざ付けて混乱を招いてるのが良い証拠(名推理)。
本当に原作が好きで「Ever17のリマスター版」を名乗るなら、山田七郎なる謎の人物の手によって生み出された二次創作のようなシナリオの移植よりも先に原作のリマスターが最優先なはずだし、Never7においては普通のリマスター移植として出している。もしもやむを得ない事情でリメイク版のシナリオを搭載するしかなかったという状況だったとしても、原作と同じ副題を付けたタイトルで混乱を招くことなんてEver17が好きならそんなことしたくないと思うんだけど。担当者は本当に作品が好きなのか???
もしかしたら、Ever17を現行機で売るならリメイク版のシナリオかつNever7とセットで売れという会社からの指示があって、Never7とセットで売るならinfinityシリーズとして出さなきゃいけないから断腸の思いで副題を付けたかもしんないけど、もしそういうような理由だったとしても知ったこっちゃないわい。他のEver17ファンがどう思うかはしらんけど、少なくともリメイク版のためにXBOX360本体を買ったりコミケでほぼ公式同人誌やつぐみと空の抱き枕カバーをお迎えするほど重篤なEver17オタクのぼくはこんなリマスターを自称してタイトルに副題を入れておいてリメイク版のシナリオしかないという混乱を招くような詐欺めいた事態を引き起こされて良い思いはしないし反発しますよ。
それと、ここまでリメイク版のことでグチグチ言ってるから誤解されそうだけど、ぼくは別にリメイク版が嫌いなわけじゃありません。むしろリメイク版も好きだと言ってもいい。ただ、箱〇でリメイク版が出た当時は原作との違いが明確だったから「原作は原作、リメイク版はリメイク版」と別物としてわかりやすく棲み分けしやすかった状態だったのに、自称リマスター版はリメイク版のシナリオしか搭載してないのにタイトルに副題を追加したり「Ever17の決定版」を自称するというとんでもない詐欺行為をしてるのが無理。山田七郎氏の二次創作だよそれ。自称リマスター版の存在そのものは別に嫌いじゃないしむしろ嬉しいけど、混乱を招こうとしている宣伝や原作のシナリオやボイスが好きだったファンへのフォローが一切ないのはあまりにも残念極まりない。


以下からはリメイク版も含むネタバレ込みで思ったこととかテキトーに綴ります。未プレイの人はここでさようなら。


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プレイしてて思ったこととか原作とリメイク版の違いとか

・リメイク版は改変が多すぎて改変点を全て列挙するのがかなり厳しい。根幹の設定であるキュレイウイルスや第三視点の設定すらも違いが見える。

・設定的に大幅に変更されたキャラは空・沙羅・ピピ・クワコギ。

・空はRSDからミラージュへ変更。2034年の実態を持った身体は「外部端末ボディ」と明言された。個人的には原作のアフロディテの奇跡のほうがロマンチックだから原作の設定のほうが好き。レプリスとして解釈しても完全否定されるわけでもなかったし、やっぱりinfinityシリーズならプレイヤーの数だけ無限に解釈と考察ができる状態がいい。

・リメイク版のピピは空の後継機のコンピュータを搭載した「空の妹」という設定。2017年の空のバックアップデータがピピの中に入り込み、ピピの中に空の本体がいるという状態。

・クワコギは名前以外の記憶が戻らなかった原作と違い、リメイク版では2017年の事件後に記憶を取り戻して普通に家に帰っている。また、クワコギが2017年にLeMUにいたのは「超能力研究の協力者として八神岳士から招待され、彼の娘であるココと一緒にLeMUを見学するため」という理由が設定された。

・沙羅はライプリヒのエージェントとしてハッキング能力だけでなくスパイめいた訓練を受けた設定が追加され、水泳スキル以外の身体能力が強化された(さすがに原作のホクトレベルではないが)。LeMUではキュレイのサンプルであるつぐみを確保するという任務を受けている。そのため、2人が親子であると明かされる前の沙羅とつぐみの関係性が原作と比べてかなり険悪となっている(沙羅はつぐみがLeMUの事故を起こしたと思っているし、つぐみは沙羅をライプリヒの犬だと思っている)。個人的には原作のような「もしかして、つぐみがママなんじゃ……?」と思っていても「そんなわけない」と自分に嘘をついている感じの雰囲気や、つぐみもつぐみで沙羅に何か思っている雰囲気を醸し出しながら接していた原作版の空気感が好きだったから、そういうのが一切合切なくなったリメイク版が原作よりも作品として魅力的になったとは全く思わない(もちろん原作で「そうやってあの人からも逃げたんだ」とペンダントを持って喧嘩するシーンはリメイク版には存在しない。沙羅とつぐみが喧嘩するシーン自体は存在するが、内容はなにもかも違うしCGも改変されている)。また、「本当は確信レベルで分かっているにも関わらず、自分に嘘をついて真実から目をそらしている」というのはココ編における覚醒する前のBWにも通ずるところがあり、BWの伏線としても機能しているんだと関心していたのにリメイク版だとそういう雰囲気が一切ないままだったのが正直残念すぎた。でもまぁ、これは個人の好みの問題なので「リメイク版のほうがギスギスしてサスペンス感がある!」と評価する人もいるかもしれない。たしかにサスペンス度は上がったが、Ever17でそれを求めていたかどうかは別に……って感じ。仮にサスペンス度を上げたかったとしても、何もつぐみと沙羅の関係にテコ入れすることはなかったんじゃないかと思う。まぁ、ライプリヒに監視されてる沙羅と、ライプリヒに追われているつぐみの2人ならそういう設定でギスギスできそうだと思わないこともないけどさぁ……。↑リメイク版ではつぐみと沙羅のこういった会話は一切ない。

・つぐみの服について、リメイク版では34年時のつぐみに新規衣装が用意されているが、原作では17年経っても同じ服を着ているのにツッコミがあったため変更点としては悪くはない。自称リマスター版ではわざわざ2Dで服装差分を新規作成する気合っぷり。その気合を原作リマスターに使ってくれ……。ちなみに17年時の服装はLeMUのサービスで置いてあるコスプレ衣装という設定が追加されたのだが、その設定であればわざわざ新規衣装を作らなくても17年後でも同じ服を着ている説明もできたんじゃ……? まぁええか。

・性格的に大きく変更されたのは34年の優春。17年時に比べて落ち着いた感じになっていた原作とは対照的に「やりぃ!」とか「なんとびっくり!」とか言う。

・優春の手術スキルについて、つぐみの大けがに優春が手術する展開は流石に無理があろうということなのか、リメイク版では医療ロボットが大体やってくれたことになった。個人的には「知識豊富とはいえ一介のJDが大手術できるわけないだろうから、ホントはキュレイの回復力のおかげで手術に成功した感じになったんかな」っていう感じの伏線だと思ってたけど、まぁこういうアレンジでも別にええか。

・34年クワコギ(偽武)も原作よりも温厚になっているというか、BWに対して敵意があまりなく、素の時の口調はかつての少年風になった。また、優春に好意を持っているかのような描写がある。2035のことは忘れろ。それと、武になりすましてみんなを騙している罪悪感も原作に比べてあまりなさそうで、ココ編エピローグでもそういう言及はされなくなった。そうなった理由としては、リメイク版では「武がピンチのときはぼくが助ける」というリメイク版だけに存在する武との約束がフィーチャーされている部分が大きい。個人的には、BWに対して逆恨みに近い敵意を抱いていたり(自分がココを助けたいのに、ココを助けられるのは四次元存在のBWだけという状況に不満を持っている)、2034年で飄々と武になりすます演技をしながら裏では怖い顔でモニターを監視してたり、BWの覚醒が起こらないと「でまかせ言いやがってあの女」と悪態をつくなど、隅々で必死なところが垣間見えた原作の方が切羽詰まった人間らしく感じるので原作の設定の方が好き。

・クワコギの記憶喪失は、リメイク版では時空振動装置による共振現象という答えが用意された。無論原作には時空振動装置なんてものはないのでリメイク版だけの設定。

・大幅な変更というほどではないが、ホクトも設定が変更され、2034年の黒幕側の人間(優春の協力者)として配置された。自らBWのエミュレーションデバイスとなることを事前に把握している。また、原作のホクトは身体能力が異常なほどパワフルだったが、リメイク版では天国ダイブのカットや沙羅編の改変によって水深34mから浮上することもなくなったため、そういうパワフルな部分が強調されることはなくなった。

・ココについても大幅な変更というわけではないが超能力(第三視点)関係において改変が入っており、リメイク版では超能力研究の協力者としてIBFに招かれていたという設定になった。また、父親である八神岳士は自分の娘をモルモットにしていることに罪悪感を抱いている。

・リメイク版では生体反応が8に増えている(原作から+1されている)のはLeMUに八神岳士が存在しているため。途中でコスミッシャーヴァル1号機を使って脱出したのは彼。2034年ではチャミがメンバーから抜けて優春と優春の助手がヒンメルにいる。

・原作ではBW=プレイヤーであるかどうかは曖昧な表現であったが、リメイク版では明確にBW≠プレイヤーと表現されている。ココのセリフが「ホクたんの向こう側に見えるもう1人のキミ」から「ブリたんの向こう側に見えるもう1人のキミ」になった。

・原作では2034年を2017年と錯覚させることでBWの召喚を行っていたが、リメイク版ではBWの召喚自体は時空振動装置なるSFマシンによって行っている。これにより、2034年で2017年を再現する理由が謎のままとなっているが、優春の推測によるとホクトに憑依したBWの認識を、3次元世界の人間の認識と同じようにエミュレーションするためだったらしい。

・リメイク版では2034年の事故はすべてミラージュによる幻影ということになったため、少年編の後半で沙羅がドンパチやるまでLeMUが崩壊するような危機などなかった。






リメイク版には存在しないシーン(ごく一部。実際はもっとある)

「ぼくはもう嫌だ!」
「タツタサンドなんか、食べたくないよ!」
「飽きたんだよっ!」
「白いご飯が食べたいんだよぉっ!」
リメイク版ではタツタサンド以外の食料もあるので存在しない。「歯ぁ、食いしばっとけっ……!」も存在しないし、つぐみが少年を言い聞かせる展開も存在しない。少年を擁護する空に武が八つ当たりのような対応をしてつぐみに「最低ね」と言われるシーンも存在しない。リメイク版において代替となるシーンは「脱出できても記憶を失ったままの僕は独りになるのが怖い」と泣く少年に「ここから脱出しても俺たちはずっと仲間だ」と武が言い聞かせる展開になっている。


「全部……全部、見たんです」
「小町さんと倉成さんがした行動、行為……一部始終」
~~~~~~~~
「あなたは、おかしい。壊れている」
「壊れてなんかいないわ!」
「人を好きになっちゃいけない? 好きになったらおかしいですか!?」
「異常です」
「あなたは明らかに、思考に異常を起こしている」
~~~~~~~~
「違う、違うっ」
「違うよおっ……」
~~~~~~~~
「私は……倉成先生の授業を、もう一度受けたかっただけなんですぅっ……」
リメイク版ではまったく別のイベントに置き換えられており一切合切存在しない。そもそもリメイク版では空がクヴァレを覗き見して武に憎悪を抱いて苦しむシーン自体が存在しない(原作と同様にクヴァレを覗き見していた可能性は高いが明言されていない)。原作ではこの展開があってこその空編だったので、この変更はとても残念でならないし、リメイク版が初見の人に同情を覚えるレベル。リメイク版において代替となるシーンは、ダーク空が武を水攻めしているところに、本物の空がそれを食い止めようとして武が「空がんばれ!空がんばれ!」と応援する。結果として空が権限を掌握して以降スタンドアローンになる。ダーク空が武を水攻めにした原因は、おそらくつぐみが大けがをした際に行ったLEM-ARVの検査によってつぐみの存在を知ったライプリヒの上層部がつぐみの確保を命令したか、事件を隠蔽するためにLeMU内の生存者を抹殺しようとして外部から空にそういう命令をさせるように仕掛けていたと思われ、空はLeMUの生存者を守るために“外部の命令”を今まで拒否していたが、「空が犯したミス」によりその命令が実行されかけた結果、ダーク空による武の水攻めが開始されたとのこと。この「空が犯したミス」というのは具体的に明言されていないが、おそらく原作と同じようにクヴァレを覗き見したことでつぐみに逆恨みをして隙が出来たとか、武に殺意を抱いて生存者の抹殺命令を容認してしまったとかだと思う。


「私を……置いていかないで!」
「ひとりにしないで!」
空編において武がつぐみをIBFに置いて空を救出するためにLeMUへ向かうシーンだが、リメイク版ではそのようなセリフは存在しない。代替するシ―ンにおいて、つぐみのセリフは「偽善者」とだけ吐き捨てる感じになっている。


「ボタンを叩くときのかけ声は『ポチッとな』だ。覚えておくように」
「ええ……ふふふっ」
「大丈夫。ちゃんと覚えます」
「それが約束だから。私と、先生の……」
リメイク版では存在せず、武は「ポチッとな」をここぞとばかりに言いまくっているため「ポチッとな」に特別な意味があるわけではない。34年の計画前にクワコギが時空振動装置のトラブルを止めるためや、空が時空振動装置を起動したときに「ポチっとな」と言ってたくらい。


「違う!」
「あなたが言ったのよ!」
「あのとき、武が言ったじゃないの!」
「生きてさえいればって!」
「それが、どうなの! 見たでしょ!?」
「チャミがどんな目に遭ったか、私がどんな目に遭わせたのか……武だって今、見たでしょ!?」
つぐみがチャミを握りつぶすシーンは存在するが、このようなセリフは存在しない。原作ではこのシーンの声優の演技が迫真で印象深かったり、武が現実を知って「俺が間違ってたんだ」と言ったことに対し、つぐみが「簡単に自分の言ったことを撤回なんかしないでよ! それこそ無責任よ!」と返して武のことをライプリヒの奴らと同じだと糾弾したのはつぐみの感情を表現するシーンとして完璧だったのに、リメイク版で改変が入っているのが正直に言って意味が分からない。リメイク版において代替シーンは「私は怪物だからあなた達の仲間なんかじゃない」と言って自分の過去を話すつぐみに対し、武は「こんな話を聞いて何もできない自分が悔しい」と涙を流すだけで、そんな武につぐみが「じゃあ私を殺してよ」と言って武に襲い掛かり、例のアレに繋がる展開となっている。


「私を、ひとりにしないで……!」
「まったく、心配性なやっちゃなぁ……」
「大丈夫だって、何度も何度も言ってるだろ?」
「うん……」
「ちゃんと、生きる気になったろ、お前……?」
「うん……」
「だったら、生きろ」
「生きている限り、生きろ」
「大丈夫……」
「俺は――」
「俺は、死なない」
なんとリメイク版では存在せず、武がハッチから飛び出す直前の会話はかなりカットされている。
リメイク版では「俺は、死なない」というセリフはココ編のラスト、海底で蘇生する武が自ら奮起するときまでお預けにされている。原作の「それがあいつとの約束だから!」についてはなかったことにされ、つぐみからも「約束できないことはたとえ嘘でも言えなかったのだろう」と思われている。うーーーーーーん、この改変で一体何がしたかったのかよくわからん。


『ほぉれ、めんこい子じゃあ、ちんちんのついとるのと、ついとらんのがおる、どっちを先に抱くかね?』
『ふたり、一緒に……』
リメイク版では存在しないというか、つぐみが沙羅とホクトを産んで育てていく経緯にはかなり改変が入っており、もはや別物と化している。具体的に言うと、つぐみが頼れるような反ライプリヒ勢力が存在していたかどうかという違い。プレイヤー個人の好みの問題でしかないのだが、個人的には原作のほうが圧倒的に好き。


「アンプル? どれなの?」
「それが……この部屋にあるかどうか……」
「そ、そんな……!」
「これは!?」
「いえ……」
「これじゃないの!?」
「違います……」
「こ、こっちは!?」
「それではありません……」
「それも……違います……」
「どうしよう……どうしたらいいの? 答えて、空……!」
リメイク版では存在しない。メインなシーンというわけではないんだけど、優春が切羽詰まっている必死さで緊迫感があったのにリメイク版ではカットされたのが個人的に残念。


「ね、ねぇ……」
「今の……缶蹴ったの」
「誰?」
リメイク版では存在しない。リメイク版において原作のような怪奇現象はホクトが偽武の幻を見たくらいで、それ以外は特に発生しない。ピピが缶を飛ばす描写はある。


「却下ね」
「絶対無理」
「あり得ないな」
「賛成しかねます」
リメイク版では存在しない。そのため、Ever17の初見がリメイク版や自称リマスター版の人は以下のAAを見てゲラゲラ笑うことができない。かわいそう。





武編の個人的な不満
リメイク版の武編の不満のひとつとして、つぐみの魅力が半減していると感じた。原作のつぐみは可愛げのあるシーンが数多くあったのだが、リメイク版ではそういう細かいシーンの殆どが削除されており(おそらくストーリーの展開速度をあげることを優先しているため)、たとえば自分で沈めたEIの中に水が想像以上に入ってしまいパニックで暴れたりする描写とか(リメイク版では暴れない)、動かないエレベータの前で突っ立っている武に思わず意味のない質問をして「どうしちゃったの?」と困惑するシーンとか、武が優春にそそのかされて追加のタツタサンドを渋々作ってるときに「私も追加してほしい」とつぐみがお願いしたときの武の反応が不機嫌気味で思わず困惑するシーンとか。あと(武編ではなく少年編だが)「なんちゃって」もなくなっちゃった。

空編のガバガバフラグ管理について
リメイク版の空編の回想において、なぜか武の記憶には存在しないはずの話をすることがある。つまりは選択しなかった分岐のシナリオを通過している前提で話が進む。「存在しない記憶を回想する」という現象自体はこの作品においてありえそうだけど、少年編はともかく武編でなんの説明もなく唐突に発生するのは流石にミスだろう。以下に詳細を記す。

5/5:ピグマリオンの回想
5/4に以下の選択肢でBを選んだ状態で空編に突入すると、武は優から聞いたピグマリオンの話(選択肢Aのルート)を思い出す。しかし選択肢Bではピグマリオンの話は出てこないため、武は存在しない記憶を思い出しているということになる。
選択肢A:なんで女神なんだ?
選択肢B:運命は定められたものなのか?

5/5:ブレーンワールドの話
5/3の「行くor行かない」の選択肢によって空からブレーンワールドの話を聞くことができるが、話を聞かなかった場合でも空編に突入すると空からブレーンワールドの話を聞いていたことになる。

5/5:クヴァレの記憶
選択肢とは直接関係はないが、5/4に空とデートをするルートに突入後、武がコスミッシャーヴァルの修理をしたことをつぐみに報告する際、空とクヴァレに乗ってデートをしていたはずなのに「ソレ(クヴァレ)って乗れるのかな?」とつぐみに発言するなど、武の記憶からクヴァレの存在が丸々抜け落ちている。お前が記憶喪失になってどうする。




リメイク版の好きなところ
今までリメイク版の設定にグチグチ言ってきてはいたが、リメイク版にも良いところはある。リメイク版の改変部分の中でも、個人的に「これは良改変。原作よりも好き」と感じたものを以下に記す。

・天国ダイブの削除と、みんなでコスミッシャーヴァルに乗って武とココを迎えに行く展開
原作のココ編は勢いでツッコミをねじ伏せていくスタイルだったけど、さすがに天国ダイブは無茶すぎてネタシーンと化してしまっており、これまで「どうして原作のあれやこれをなかったことにしたんだ!!!」とグチグチ言ってるぼくでも「これは消して正解」と思うレベル。さらに、個別ルートでは一度も使えなかったコスミッシャーヴァルがココ編の最後で武とココを救うためにようやく発進するのはなかなかのカタルシス。原作と違ってみんなで迎えに行くから、武とつぐみの再開するシーンや優秋を優春と誤認する武とか好き。

・ピピの正体が空の後継機
初見プレイ時にはこのネタ晴らしで呆然自失した。正直、原作プレイ済みだからリメイク版をプレイしても衝撃を受けることはないだろうと思っていたけど、これは衝撃だった。ピピは原作から電子犬という設定だったから、他の改変に比べてこの改変はあまり違和感がなかったのも良かった。

・BWがレムリア碑文を経由して優春に2034年の計画を伝える設定
原作では「なんで優春にBWの声が聞こえるんだよ」とか「わけのわからないことを一気にドバドバ言われても忘れちゃうだろ」とか思ってたし、それでもBWの言葉を全部覚えてて2034年に本当に計画を実行する優春も超人すぎるだろと思ってたけど、古代の碑文を解読する形になったおかげでこのあたりのツッコミは解消した。

・生体反応やクワコギの記憶喪失など、原作で未解決だった謎を別の謎に置き換えたり、原作の設定ではありえない設定を答えとして用意したこと
これまで「原作の謎をなかったことにされた」などとグチグチ言ってたのに、この部分を評価しているのは一見矛盾していると思われてもいたしかたないのだが、それはそれで「リメイク版は原作とは別の世界線として表現されていることで、原作の世界観・解釈を守っている」ということにつながるので、そういう面では評価したい。リメイク版の存在があったとしても「リメイク版は別の世界線だから、原作は原作のまま楽しめる」のはファンとして素直に嬉しい。やっぱりこういう余計なノイズを考えなくてもいいように棲み分けするのは大事。リメイク版のシナリオしか搭載してないのにタイトルに原作と同じ副題を入れたりするとかありえないよね。

・タイムリミットが170時間17分
タイムリミットを17に合わせてきたのはいいけど、原作から増えた分の時間をどうするんだろうと思っていたら、タイムリミットが減ることによる危機感を煽るためにタイムリミットを増やすというのは予想してなかった。でも、この手法を多用してしまうとタイムリミットの概念が形骸化しかねないから諸刃の剣ではある。

・優春救済ルート
リメイク版では優春エンドが救済された(正確にはBWサイドだが)。これにて事実上すべてのヒロインのハッピーエンドが搭載されたと言っていい。ただし、優春には性格改変の件もあるので素直に喜べるかどうかは微妙。

・空編エンドの先
リメイク版の空編のことでグチグチ言いまくってたけど、唯一リメイク版の空編で好きな部分(正確にはBWサイドだが)が、LeMUが崩壊して武が水没した後、バックアップが完了した空がピピを通じて武に呼びかけるシーン。正史ではホクトの役割が空(≒ピピ)に置き換わっていて面白いと思ったし、違和感なく2034年に繋がるのも良かった。

・リメイク版の主題歌
言うまでもなく原作の主題歌は名曲だが、リメイク版の「レムリアに捧ぐ」「Another Sky」もそれらに引けを取らないほどの名曲。でもやっぱり原作の主題歌も聞きたいよね。PSP版のときは新規主題歌と原作主題歌を同時に搭載してたのにどうして……。

・いくつかの電波シーンの削除
ココが電波キャラなので全ての電波シーンの削除とはいかなかったし、仮に全ての電波をカットしてたらそれはそれで不満だったけど、ある程度緩和されたのは良かった(それでも電波が多めではあるが)。とくに優秋の「キュキュッキュキュッキュキュキュキュッキュ~~オーモイダシマシマシタァ~!」とかあまりにも常軌を逸していたので無くなってよかったと思う。




リメイク版のダメなところ
今までもグチグチ言ってきたけども、「うーん、これはどう見ても完全にアウト」と思ったものを以下に記す(重複している部分もある)。
言い換えると、自称リマスター版では修正してほしいところ。なお3D立ち絵は2Dの差し替えが決まってるので特に言うことはない。

・空編のガバガバフラグ管理
前述しまくった通り、シナリオの整合性が取れてないのは大問題。これはさすがに修正されてると信じたい。

・つぐみのボイス音量が小さすぎる
普通の設定で聞こえないレベルなのはちょっとなぁ……。BGMを下げればいいのか? BGMのアレンジもリメイク版の特徴なのにそれは本末転倒では?

・「あれ? 武がぼやけて見えるような?」
これは流石にダメだろ。真武の立ち絵は「おいよせ、やめろ少年!」で初めて表示されるから良かったのにマジで何考えてんだ?????? このシーンは削除でお願いします。

・空の学生服差分が存在しないことによる問題
リメイク版の空編のラストにおいて、テキスト上では空の服装は学生服となっているが、そのような差分は存在しないので立ち絵はチャイナドレスのままとなっている。おそらく自称リマスター版でも修正されないと思う(修正されるとしてもテキストのみだろう)が、まさか空の学生服差分も用意するのだろうか?

・HIMMELの扉に纏わるテキストの問題
リメイク版のテキスト上では「HIMMEL――扉にはそう書かれていた。」と表示されるが、原作の背景ならともかく、リメイク版の背景ではどう見ても扉ではなく扉の傍にある壁(壁に貼られているプレート)のほうにHIMMELと書かれている。もし自称リマスター版で修正されるとしたらテキストのみになりそう。

・個別ルートの最後に表示される英文のスペルミス
これは流石にアカン。すでに公開されている自称リマスター版のOPだと修正されてるから流石に修正済みだと思う。っていうかなんでスペルミスしてるのか謎すぎる。






は~~~~~~~~~まだまだ言いたいことは無限にあるけど、ひとまず言いたかったことの大半を言語化できたのですっきりした。というわけで一旦閉廷。
とりあえず、自称リマスター版には不満はあるけどDL版とパッケージ版を買うことは決定しているので、まずは空編のフラグが修正されているかどうかを先に確認する予定です。






最後に布教でも。
Ever17の魔力に取りつかれた人間は「Ever17を超える作品はどこかにないのか……?」と思いながら今まで生きていたと思いますが、そんなあなたに「ヘキサの唄を」をおすすめします。
ぼくが今までプレイしてきたノベルゲームのなかで唯一Ever17と肩を並べるレベルの作品であると胸を張って言えるのは「ヘキサの唄を」だけです。
「ヘキサの唄を」はinfinityシリーズの最新作と言っても通用するレベルで、infinityシリーズのファンであれば楽しめること間違いなしです。


問題があるとするなら入手困難なことと未完であることだけ




※追記※


自称リマスター版をクリアしたので取り急ぎまとめます。後日修正するかも。




完走した感想
箱〇版を2Dにして立ち絵の問題はほぼ解決したけど、それ以外の問題点は殆ど放置されたままのリメイク版って感じ。
記事内でも言ったけど、リメイク版はEver17の原作をプレイ済みでも原作にそこまで思い入れがない人や細かい部分まで覚えてない人なら楽しめると思うし、なんならこっちのほうが好きになる可能性もある。逆に言うと、原作のEver17の細かい部分を含めて大好きな人は「よくなった部分もたしかにあるけど、変えてほしくなかったところが改悪されてたり好きなシーンやセリフがなかったことにされた」と感じて総合的には残念評価になりそう。評価としては賛否両論に落ち着くかと。
ちなみに、箱〇版に搭載されてた声優陣のフリートークは削除されていた(たぶん日本語以外の言語に対応するのが面倒だったんだと思う)。
記事内で指摘したいくつかのミスについては、修正された部分もあれば残ったままの部分もあるっていうか、修正されたのは極一部で放置されたままのミスの方が多い。14年前のミスくらい修正しておいてくれよ……。
それから、ココ編のEDムービーとエピローグのタイミングが前後逆になっていたのが個人的にマイナスポイントかな。たぶん何かしらの仕様的な問題でそうなったんだと思うけど、最後はエピローグで〆たかった。
予想してなかったところで良かったポイントは、一部のキャラに立ち絵の後ろ姿が実装されていたこと。詳しく言うと、箱〇版ではキャラが後ろを向く演出が極わずかに存在していて、これは3Dモデル特有の表現で2Dだとどうせ該当シーンは非表示になるものばかりと思っていたらまさかの新規素材で対応されていたのはびっくりした(とはいえ、そんなところに力を入れる前に他にもミスの修正とかやることあっただろうと思わないわけではない)。




記事内で指摘し忘れてた箱〇版のミス
プレイしてて「あっ、そういえばこんなミスもあったな……っていうか修正されてないんかい!!!」と思ったミス↓

・武編で一人称が唐突に「ぼく」になる
これはまぁ……BWの意識が混線したという超次元解釈もできないこともない。原作パッケージの指6本みたいな(ちなみにパッケの指6本の真相は単にミスだったわけだが、原作のシナリオ的にあまりにも運命的かつ奇跡的な表現になってしまっていた。なおリメイク版の少年編では無くした指云々の話は一切存在しない)。


・ココ編でヒンメルに入った直後のテキストミス
「浮島の上この場所」ってなんだよ。
作中において超重要かつ盛り上がるシーンの1つなのに、あまりにも残念なミスすぎる。これは原作テキストから「浮島の上」(原作ではヒンメルではなく浮島の上で優春と対峙する)を、リメイク版のシナリオにあわせて「この場所」に置換したかったんだろうけど、なぜか置換前の「浮島の上」が残ったままになっちゃったんだと思う。
ちなみに、言語をイングリッシュにした場合はこうなった↓




記事内で指摘した問題点について

・空編ガバガバフラグ
3つのガバガバポイントのうち1つだけ修正されていた(武が存在しないピグマリオンの記憶を思い出すことはなくなった)。のこり2つのガバガバポイントは修正されずそのまま。とくに“存在しないブレーンワールドの話の記憶”は修正必須レベルだと思ってたのになぜか修正されてなくてわけがわからない。

・つぐみのボイス音量
箱〇版をプレイしたときに比べてよく聞こえるように感じたけど、ボイスデータが修正されているのかそのままなのか正直よくわからない。ハードの問題だったとか? それともセリフによって音量がまちまち?

・「あれ? 武がぼやけて見えるような?」
残念ながらそのままでした。

・テキスト上では空が学生服を着てるはずなのに立ち絵はチャイナドレスのまま
想像してた通り修正されてませんでした。もしかしたらチャイナドレスが学生服として浸透している世界なのかもしれない。

・テキスト上では「HIMMEL――扉にはそう書かれていた。」となっているが、背景では壁にHIMMELと書かれている
なんも修正されてませんでした。

・個別ルートの最後に表示される英文のスペルミス
流石に修正されたというか、おそらく海外言語の表現に合わせたような気がする。個人的に「OPと違うんかーーーーい!!!」ってなった。
自称リマスター版OP↓
原作↓




立ち絵を2Dにしたことによる新たな問題点

最大の問題だった3Dの立ち絵を2Dに差し替えたことで立ち絵の問題は全部解決……とはならず、2Dに差し替えたことによって僅かながら新たな問題が発生している。

・シーンと表情差分のミスマッチ
めちゃくちゃ多いってわけじゃないんだけど、シーンによっては立ち絵の表情に違和感を覚える箇所があった。特に優の斜め横顔差分で「なにわろてんねん」って思うことが結構あった。

・素材が豊富なのにあまり有効活用できてない
リメイク版シナリオの展開の都合もあるかもしれないが、各キャラのびしょ濡れ差分の表示が少なく感じた……っていうか、もしかしてつぐみしかなかった? 他にも使われてキャラいたっけ。優の殴り差分もなかったような。原作だと差分が充分に活かされていたのに勿体ない。
それから立ち絵を表示するだけして、セリフを進めても表情差分が変わらないシーンもいくつかあってなんだかな~~~~とも思った。立ち絵差分が豊富なゲームなんだから有効活用してほしい。とくに大爆笑したのがこちら↓表情を変えないまま驚くのはやめろwwwwwwww
印象操作してない証拠にバックログも↓